「人間は土から離れては生きられないの」
ご無沙汰しております。大変な世の中になってきておりますが、皆様お健やかにお過ごしでしょうか。
私は、魂の叫びのままに長年勤めた仕事を辞め、新たな地へと引っ越してきました。
その地は、舗装されていない道がまだまだ多く、農村地なので空も大きく開けて見え、そよ風でも自然と踏ん張るような風が面で吹いてくる気持ちの良い土地です。下水道も整わない過疎地ではありますが、人々は皆穏やかな気性で、過ごしやすいです。
土に足をついて生活していると、身体がすごく喜んでいるのをひしひしと感じます^^
その身体の喜びが心に伝わり、精神的にも安定してくるのです。
特に、作物のよく育つ「良い土」は、人間の身体にも良い作用をもたらすように感じます。
育苗用の粒揃いの単体のきれいな土よりも、田んぼや畑の微生物や虫さんいっぱいの土の方が立っていて断然心地良いものですから、きっと、そういうことなのだと思います^^
特に土への喜びを通して、「人間も自然の一部なのだ」と身を以て感じています。
さて、今日は何を書こうかな?と思っていたのですが、前職がとある神社の宮司でしたので、その職に就いていた時に、現在は閉鎖しておりますが、公式サイトの宮司のコラムで最後に氏子崇敬者の皆様へ向けて書いたものが、半分皇木咲箭として言葉を紡いだものですから、それを少しだけ「森羅万象」用にアレンジして掲載したいと思います^^
万物と共に歩む
私たち人間は、人間の社会にいるという概念からか、ついつい万物に守られ生かされている感覚を忘れることがあります。
社会も、交通も、一人一人の細胞に至るまで、万物が緻密に事を運びながら人々を導いてくれています。そこに気がつくだけで、人生はとても心強く、そしてわくわくと楽しいものです^^
例えば、「運転中に割り込まれた」「エンジンがなかなかかからない」「なぜか鍵を何度も落としてしまった」そんな数秒単位の采配に、命は守られています。そのような時に自我を通して無理をして急ぐと、万物の采配も虚しく、残念ながら事故に繋がってしまうということが少なくありません。
同じようなつらい出来事が起こる。同じような苦手な人と関わることになる。そんな不運にも思えるようなできごとにも、万物は気づきの期待を込めて導いています。病を患う箇所にも病の状況にも、全てに万物からのメッセージがあります。
思うように行かず、もどかしかったりイライラするようなできごとも、万物はいつでも愛と期待を込めて各々にとって「最善」の事を運んできてくれています。
気候に関しても、道に生い茂る草たちが教えてくれることがたくさんあります。例年より花を高い場所に咲かせた年は、洪水が起きたり積雪が起きたりします。地震や嵐の前には小さな生き物たちが教えてくれたり、風や雲の様子で教えてくれたりします。今の科学力では、「科学的根拠」は追いつかないかもしれませんが、万物は大いなる意思のもと、私たちに常にメッセージを送ってくれています。偶然で済ませることは簡単ですが、それではもったいないですし、万物の愛を知る者からすると何と味気ないことかと思います。
人間の社会で生きているようでも、こちらが心を開けば、万物がどれほど私たち人間を愛し守り育てて導いてくれているかということに気が付きます。
そこに気がついて共存の道を選ぶのか、思うようにいかないことにイライラして更に人間本位に突き進もうとするのか。
自分もまた自然の一部だと気づき受け入れるか否かで、人生の価値観に大きな差がつきます。
もちろん例外なく、疫病の流行もそうです。万物の意思をどれほど汲めているかで、今後の生活が個人レベルで大きく異なってきます。
今後、遠くない未来には、現実社会とバーチャル世界とが融合し始めます。ITは必須となり、多くの職がAIに任されるために就職にも関わってきます。「今まで通りの生活」は、戻ってはきません。今までどおりに生きようとする人と新時代に適応していこうとする人との社会的経済的格差が大きく開いていくという事態になっていきます。
疫病の流行を含め、万物の采配を如何に受け入れ、どのように行動に移してきたのか、またこれからもどのように行動に移していくのかが一人一人の未来へつながっていきます。
どのようなことも、目の前に起きてきたなら受け入れる。そして、まずはあれもこれもと求めずに、たった一つのことを大切に選び取る。その一番大切なものを主軸に無理のない範囲で求めていく。一番大切なものは、きっと多くの人の中に、この疫病蔓延下で見つかったのではないでしょうか^^
物事の本質は、とてもシンプルなものであると私は思います。
私たちは、常に万物と共にあります。
そのことをどのような時にも忘れずにいたいですね。
天の川
すごく驚いたのですが、この地では、まだ天の川を見られるときがあるそうなのです!
この地に来て始めて知ったのは、星がこんなにも空いっぱいに輝いていることと、月明かりが大きな時には、星が見えにくくなるということ。
以前住んでいた都市は常に見えにくかったので、そんなこと思いもしませんでした。
新月の夜には、空一面の星。
都市部にいるころには目印のようだったオリオン座や北斗七星も、星が多くて見つけるのにとても時間がかかります。
便利になればなるほど、明るくなればなるほど、見えなくなった輝きを象徴しているようで、土の神秘と共に星の輝きが私の中に戻ってきてくれるとともに、深遠なるこの流れた歳月に思い馳せると、胸の奥が切なくなるのでした。
大切な大切な唯一つを選びとって、感謝の中で慎み深く生きようと決意して降り立ったこの地は、きっとこれからたくさんのことを学ばせてくれると思います。
限りある命、皆様にとりましても、各々の良心(魂)の求めるがままに人生を全うできる道を、万物の愛に支えられ共に生かされ生きていけると良いなと願っています。
素晴らしき人生を^^